急に雨が降り出した。
「まいったなー…」
天気予報では降水確率0%だったのに。
予報を信じて洗濯物を干してきてしまった。
早く取り込まなきゃ。
小走りで家に向かっていたが、途中で「今さら急いだところで結局同じことだな」と思い直して、歩いて帰ることにした。
「あーあ、びしょ濡れだ」
家に着いたら洗濯物を取り込んで、洗い直しだ。
少し早いけどついでに風呂にも入ってしまおう。
あれこれ思いながら歩いていると自然と足早になる。
角を曲がると、すぐに見えるボロいアパート。
そこの二階が俺の家。
小さいながらも愛着のあるわが家だ。
いつ壊れるかわからない階段を上ろうと足をかけると、何か動く気配に気づいた。
「………?」