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ROSE MILK

おたくのブログです。 BLの意味がわからない方、理解できない方はお勧めできない内容です。   BLゲーム「咎狗の血」「ラッキードッグ1」などに関する記述も含まれますので、作品の性質上、R-18とさせて頂きます。   原作者様及び公式団体様等とは一切関係ございませんよ。
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初夢

「アキラ初夢見た?」
「初夢?」
「うん。俺はね、アキラの夢見たよ」
「俺もケイスケの夢見た」
「ほ、本当に!?」
「あぁ。ケイスケが茄子を抱えて、富士山の頂上で鷹に襲われてた…」
「へえ………すごくおめでたい夢、なんじゃないかな、うん………」
「そうなのか」

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新年

目が覚めると、1番大切な人が隣で静かに寝息をたてている。


いつもそれを見て、幸せな気持ちでいっぱいになる。

そしてそれと同時に押し潰されそうな不安が襲う。


───この日々はいつか終わりがくるのではないだろうか?

この甘い感覚が失わる恐怖を感じる。



不意に、愛おしい人が寝返りを打ち自分に背を向けた。

抱きしめたい衝動に駆られたが、思いとどまる。


今、この時、この世界には2人しか存在しないのだ。


そんな時間が、もしも触れたことで壊れてしまったら…。

笑顔も、ぬくもりも、全てが夢だったとしたら…。

それが無性に恐ろしかった。



「…イ…ケ……い…」

何事か小さく呟いて、身を縮ませた。

「…アキラ?」
「…さ…い…」

もっとよく聞き取ろうと、後ろから近づいた。

「ケイスケ…寒い…」

俺はそのままその背中を抱きしめた。
きっと無くならない。
消えない。

「アキラ…」

しばらくその背中に頬を寄せて目を閉じた。

あの頃、ただ追いかけるだけだった背中。
見るだけで、届かないと思っていた背中。

今はこうやって抱きしめている。

そして気付いたこと。

思っていたより小さかったということ。

俺が絶対守らなければ。


「ケイスケ…」
「ごめん!起こしちゃった?」
「いや…」
「おはよう、アキラ」

きっと俺はかなりデレデレして間抜けな顔をしていることだろう。
毎日一緒にいても、それは決して当たり前じゃない。

毎日好きだし、その気持ちはいつも新鮮だ。

「お前って、体温高いよな…」
「え?」
「背中、お前の体温がモロに伝わってくる」
「暑い?」
「……いや、心地いい…もう少しこのまま…」

背を向けた恋人が、恥じらいながらも今度は体ごとこちらに向き直した。

「あ……」

俺の胸に顔をうずめて、恋人は再び目を閉じた。

「寝正月だな…」

俺は苦笑して、胸の中の愛おしい人を抱きしめた。

年末

しん、と静まり返った12月31日。
もうじき今年が静かに終わろうとしてる時刻だ。


テレビからは、今年を振り返るような話題やニュースが聞こえてくる。

目の前には、この1年、ずっと俺を気遣い隣にいた男がテレビを見ている。

「今年は政界大変だったよね、アキラ!」
「そうなのか」

俺とは趣味も興味の対象も違うツレ。
俺と一緒にいて、一体何が楽しいのか。

あいつに特別に何かをしてやったわけでもないのに。


毎日、ただ毎日を俺と過ごすことに退屈を感じないのか。


テレビからは今年を締めくくるような話が聞こえ、なんとなく頭の中でこの1年を振り返る。

「………」

特別変わったことは思いつかず、思わず苦笑してしまった。

その様子を不思議そうに見る幼なじみ。

「どうしたの?」
「いや…」

コタツの上にはみかんとピノ。
これすらいつもと変わらないのだ。

ピノのひとつにピックを刺して、食べようと口元へ持っていく。

と、ふと。

「ケイスケ」
「ん?」

何も疑わない、優しい眼差しで振り返った口元にそれを寄せた。

「へっ!?」

真っ赤な顔で目を見開いた。
ピノと俺を交互に見ながら明らかに動揺の色を滲ませている。

「いらないのか?」
「え?あ、いや、た、食べるよ!うん!いただきます」

その様子がおかしくて、そしてなんか、あったかいものが込み上げた。

「アキラ」

急にコタツから出て俺の前で正座した。

「何だよ、改まって」
「いや、あのさ…」

少し照れながらも、俺を真っ直ぐに見据えた。

「今年も1年、本当にありがとう。アキラと一緒に過ごせて楽しかった!」
「なんか、別れの挨拶みたいだな」
「えっっ!!?ち、違っ……!そんなつもりじゃ、お、俺…」

俺の横槍に用意していた言葉を忘れたのだろう。
慌てふためいて変な汗をかいている。

こういうところは昔と全然変わらない。

「と、とにかく…!!」

咳払いをして、また体制を整える。

「ら…来年もっ、来年もずっと一緒に、2人で一緒に楽しく…」

そこまで言って口ごもった。

「どうした?」
「……………」
「聞こえないぞ?」
「……………」

よく聞き取れず、耳を寄せる。

「すき」
「……………」

まったくこの男は…。
毎度芸がない。
というか、まったくワンパターンだ。

幼なじみは怖ず怖ずと顔を寄せてきた。

こいつは…。

俺の呆れ顔に気付いて、ピタリと動きを止める。

「……………」
「……………」

きっと来年も、いやずっとこいつは変わらないんだろう。

「ケ、ケイスケ…」

無性に笑えてきた。

「ア、アキラ…?」

俺は驚いた幼なじみの顔に、自分で唇を寄せた。

「!!?」
「ケイスケ、来年もよろしくな」

遠くで除夜の鐘が聞こえた。

HN:
メリー
性別:
女性
自己紹介:
特技は妄想。
常にマイナス思考。
運転中に本気を出して歌うのが好き。ごにょごにょ。

↑コレが貼りたいためにこのブログ作りました。 ラッキードッグ1プチオンリー「UCF -Un cane fortunato-」 ↑素晴らしいですね。
全力で応援します^^

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