ケイスケは時々、夜中にうなされる。
トシマでの罪をその背中に背負っているから。
俺は何もできない。ただじっと見ることしか。
それがどうしようもなく嫌で、たまらなかった。自分の無力さを呪い責めたりもした。
でも唯一、俺ができることがある。それは目を逸らさない事。
ケイスケの代わりになることはできない。わかってやることもできない。だから、もう、絶対に目を逸らさない。
「うっ…く…」
「ケイスケ…」
「はっ、はぁっ…う、はっ…」
「……………」
「ん…あ…アキ…あぁっ…んんっ」
今日はやけに苦しんでる?大丈夫か、ケイスケ…。思わず背中をさする。
「アキラッ、だめ、そこ、あっ…きもち…ンうっ、はぁ、はっ、あ、っっく」
「……………」
こいつは…。
心配した俺がバカだった…。
俺は力いっぱいこぶしを握り締めると、渾身の力で振り下ろした。
END
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