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ROSE MILK

おたくのブログです。 BLの意味がわからない方、理解できない方はお勧めできない内容です。   BLゲーム「咎狗の血」「ラッキードッグ1」などに関する記述も含まれますので、作品の性質上、R-18とさせて頂きます。   原作者様及び公式団体様等とは一切関係ございませんよ。
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朝起きるとアキラになっていた 6

アルビトロの城までは、簡単にたどり着くことができた。

扉の前にはいつもの強面の男が立っていて、俺たちを見つけるなりじろじろと視線を投げつけてきた。

「アキラァ…大丈夫かなぁ…?」

俺の心配をよそにアキラはすたすたと門番のところまで歩いて行った。

「何の用だ?」
「アルビトロに会いたい」
「約束は?」
「ない」
「なら帰れ。アルビトロ様はお忙しい。お前らなんかと遊んでいる暇はない」

予想通り門前払いだ。
だけどアキラも食い下がる。

「いるんだろ?聞きたいことがあるんだ」
「おい貴様!しつこいぞ!」

アキラと門番が一触即発の状態になった。
その時、城の扉がゆっくりと開いて、見覚えのある2人組が現れた。

「さっきからうるせぇなぁ…」
「ああ?つーか昼寝の邪魔だっつーの!」

処刑人。

「アキラまずいよ!」

慌ててアキラに駆け寄る。

「あっれぇ~?どっかで見たことあると思ったら…ねこちゃんじゃ~ん♪♪」
「ひっ」

鉤爪の方が嬉しそうな顔で俺に近づいて来た。
思わず後退りした。

どん。

背中が何かにぶつかった。
壁…?
こんなとこに壁なんて…。
振り返ると、鉄パイプを担いだ大男だった。

「よぉ。お嬢ちゃんさぁ、こんなとこまでわざわざ来るなんてよぉ、よっぽど欲求不満らしいなぁ…」

ニタァ、と笑う。

こ、怖っっ!!!

「ちょうどいい。俺たちアルビトロに用があるんだ」

ちょ、マジですかアキラ!?
動揺しまくる俺に目もくれず、処刑人に向かって臆することなくアキラが話しかけた。

「あぁ?ビトロにぃ…?」
「ワン公はさぁ、多分パパの好みじゃないぜ?ハッハァー」

鉤爪はアキラを上から下まで舐めるように見ると、鼻で笑い飛ばした。

……笑われてるの、俺…だよな……?

「別に好みじゃなくてもいい。ちょっと聞きたいことがあるだけだ」


処刑人2人は顔を見合わせるとしばらく思案しているのか、黙っていた。

「なぁーんかさ、面倒くせぇから入れちゃえばいんじゃね??」
「おぅ」

そんなわけで、意外にもあっさりと中に入ることに成功した。

バカでよかった…。







城にはいつものように、イグラへの参加希望者が集まっていた。

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朝起きるとアキラになっていた 5

「お前の相手は、俺だぁっ!」

シキの後ろから、小さな影が飛び出した。

「!?」

シキが素早く振り返る。
なんとリンだった。

「見つけたぞ、シキィっ!」

リンが武器のスティレッドを構え素早くシキの懐に入る。
それを後ろに飛んで軽くかわすシキ。
しかしリンも更に地面を蹴って間合いを詰める。

は、速いっ!!

「フン、雑魚が何匹増えたところで同じことだ」

日本刀を構え直すシキが赤い双眸をかすかに細めた。

「フフ…雑魚はどっちか、すぐにわからせてやるよ…」

リンが舌なめずりをした。
なんか…いつもと表情が違う…?


「ケイスケ…今の内だ」

アキラが呆然とする俺の腕を引いて走り出した。

「あ…う、うん…!!」

シキが追って来ないか気にしつつ、俺は走り出した。








「はぁっ、はぁっ…」
「ここまでこれば安心だな」
「アキラ…ありがとう」
「怪我は?」
「ないよ。ごめん…」

バーの前まで全力で走ってきた俺たちは、素早く水とソリドを交換してホテルに戻った。

リンは、まだ戻ってきていなかった。

「リンは?」
「いや、出て行ったきり戻ってこんなぁ」

源泉さんはタバコをふかしながら、ロビーで寛いでいた。

「これ…水とソリド」
「おう」
「おっさん、まだここにいるか?俺たちは出かける」

アキラが交換してきた物を源泉さんに渡しながら告げる。

出かけるってどこに…?

「城へ…行ってくる」
「ええっ!?」

思いもよらぬ場所に大声をあげる。
城って、アルビトロの城!?

「あいつなら…何か知ってるかもしれない。この体のこと」

そうか。
俺とアキラの体が入れ替わったこと、ひょっとしたらアルビトロが何かしたのかもしれない。

イグラというゲーム、そしてこのトシマを支配するアイツなら。

「行くぞ、ケイスケ」
「うん!!」
 
 
 
つづく

朝起きるとアキラになっていた 4

端正な顔。
吸い込まれそうな赤い瞳。
やたらめったら長い下睫毛。
全身黒レザーに日本刀。

この人は…


「ケイスケっ、そいつから離れろっ」

アキラの声で我に返る。

「え…アキラ?なんで…」

なんでここに?
そう言いかけて。

「そいつはシキだ!離れろっっ」

シキ…?
シキ!?
そうか、シキだ!
日本刀を持ったトシマの通り魔!!!

シキの通った後は草一本生えないという…

「あ…あの…お…れ…」

どうしよう。
足がガクガクだ。

「貴様、なんだその腑抜けた面は…」

胸ぐらを掴まれて引き寄せられた。
うあ。
なんか怒ってるし。
思わず目を逸らす。

「…今すぐここで切り刻んでやる」

胸ぐらを掴んでいる手に力が込められた。
足がわずかに地面から浮く。

「っ…」

ヤバい。声が出ない。
俺このまま死ぬのかな。
アキラに好きって言えばよかった。
いや、今こそ言っちゃうか?
アキラに告白しちゃうか?

シキが日本刀を振り上げる。

「!!」

もうダメだ!
固く目を瞑る。








ギィンッ

金属のぶつかり合う鈍い音が響いた。
それと同時に後ろに弾かれた。

「ケイスケ、下がれっ」
「うわっ」

思わずしりもちをついた。
慌てて顔を上げると、ナイフで応戦するアキラの背中が見えた。

「アキラっ」
「ケイスケ、大丈夫か!?」

あわわ。
かかか…かっこいい!!!
これ、ビジュアル的にはアキラを守る俺ーーー!!!

「だから俺も行くって言ったろ」
「っ、…ごめん…」

どうしよう。
また、迷惑をかけてしまった。
アキラの手を煩わせてしまった。

「雑魚共が…」

シキは日本刀を低く構えると、アキラの懐めがけてすごいスピードで飛び込んできた。

アキラは紙一重にそれを受け流して、シキの左側にうまく回り込んだ。

「ふん」

シキが口の端をわずかに上げて笑った。

「!?」
「貴様の動きが、この俺に通用すると思うか?」

シキの日本刀が流れるようにアキラに向かう。

「アキラっ!」



つづく

朝起きるとアキラになっていた 3

ホテルの交換所はソリドが売り切れていた。

「え…ないんですか?」
「ない」
「…………」

無愛想なおやじの態度に腹を立てながらも、ない物は仕方がないと2人のところに戻る。

「ソリド…売り切れだった」
「え~。なんだよ~。ないの~?」

リンが責めるような口調で不満を漏らす。

「ごめん…」

申し訳ない気持ちで謝った。

「お前が謝ることないだろ」
「アキラ」
「これだけの人数がいるんだ。こういう時もあるんじゃないのか」
「アキラ!」
「!?やめろっ!俺の顔で抱きつくな!」
「じゃあ戻ったら抱きついてもいいの?」
「そういう話をしてるんじゃない!」

無理やり引き剥がされてしまった。

「よ~う。相変わらずじゃれ合ってるな~」

タバコをくわえて片手をタルそうに振りながら源泉さんがやって来た。

「おっさーん、もぉ~聞いてよ~」

リンが大げさなポーズをとりながら、あからさまなため息をつく。
おしゃべり上手なリンのおかげで、源泉さんへの説明が簡潔にできた。

「ほぉ~ん…てことは、お前さんがケイスケでこっちがアキラか。はっはっはっ」
「笑い事じゃない。元に戻る方法とか知らないのか?」
「うーん。俺も長いことここにいるが、こんな事は初めてだからな。ま、調べてはみるけどな」

源泉さんでも知らないのか。
本当に戻れるのか不安になってきたな。

「ま、別にこのままでもいいんじゃないか?性別も年齢も変わらないんだし」
「えっ!?」
「嫌だ!!!!」
「ア、アキラΣ( ̄□ ̄;)」

力一杯拒絶された…。

「そりゃ、しょうがないっしょ?ケイスケ変態だもん」
「へっ!?」
「ねーっ、アキラ♪」
「……………あぁ……」
「アキラ…(涙)」

この光景を見ながら源泉さんは爆笑。
俺とアキラが違うだけでかなり笑えるらしい。

もう少しアキラっぽく振る舞った方がいいのかな…?

「とりあえずケイスケはさぁー、どっか別の場所でソリドと水を交換してきてよ」
「あ、うん」
「俺も行く」
「い、いいよ。アキラはここにいて?」
「ひとりじゃ危ないだろ」
「平気。裏道抜けてくし」

あまりアキラに頼りすぎると、余計に鬱陶しがられるし…。
ここはひとつ、男らしいところを見せてアキラの好感度を上げよう!

「ケイスケ…」

アキラが心配そうな顔を向けてくる。

「行ってくるね」








とは言ったものの、やっぱ怖い!!!

いくら外見はbl@sterチャンプでも中身は俺だからヤバい。
戦いを挑まれたら終わりだ。

早いとこ交換して戻ろう!
俺はダッシュした。

細い道を走っていると前方に人影が現れた。

「!」

ヤバっ。
どうしよう。

人影はまっすぐこっちに近づいてくる。
でも1人だ。

イグラのルールでは第三者が見ていないゲームは無効。
大丈夫そうだな。


一気に横を駆け抜けようとして、

腕を掴まれた。

「うわっ」
「貴様、この俺を無視する気か?」
「………?」

誰だろう、この人。


 
 
つづく

朝起きるとアキラになっていた 2

「ケイスケ知らないか?」
「アキラ!?わーっ、ほんとにケイスケになっちゃったんだ・・・」
「あぁ・・・」
「どうやったら元に戻るのかな?」
「わからない。リンは何か知らないか?」
「うーん・・・さすがの俺もわかんないなー。そうだ!おっさんなら何か知ってるかも!」
「・・・そうだな・・・」
「それにしても、中の人が違うだけで印象ってかなり変わってくるんだね~」
「?」
「顔はケイスケなのにさ、なんかかっこいーよ♪」
「・・・・・・・・・」
「逆に・・・ケイスケが中に入ったアキラ・・・かっこ悪かったなー」
「そうだ。ケイスケは?」
「トイレ。あー・・・でもなんか15分くらい入ってるな~・・・」




ドンドンドン 
 
 
トイレの扉が叩かれて、俺はビクついた。
 
「ケイスケ?いるのか?」
「ア、アキラ!?」
「腹の具合でも悪いのか?」
「あ、いや・・・そうじゃないけど・・・」
「じゃあどうしたんだ」
「・・・その・・・」
 
どう答えようか悩んでいると、からかうようなリンの声がした。
 
「中で~、アキラには言えないようなコト、なんかやってんでしょ?」
「!!!」
「なんかってなんだよ」
「アキラ分かんないの~?アキラは信じてた幼馴染に汚されちゃったんだよ?」
ちがっ・・・何言ってるんだよ、リン!!」
 
リンのやつ!よりにもよってアキラの前で何てことをーーー!!!
 
「だーって怪しいじゃない。トイレなんかに何十分もこもっちゃってさー」
「だから違うって・・・」
「じゃあ何やってるんだ」
 
アキラの低い声が聞こえた。
これは・・・怒ってる証拠だ・・・。
 
どどど・・・どうしよう・・・
 
「答えろよ」
「・・・なにも」
 
俺のバカ!!!
咄嗟の事とはいえ、「なにも」はないだろ!
どう考えても不自然だ!!!
 
「用事もないのにおかしいだろ!さっさと出てこいよ!」
「い、今は無理だよ」
「どういうことだ?」
「・・・・・・」
 
返答に困ってると、リンがさも楽しそうに突っ込む。
 
「出ちゃいそうなんでしょ?」
 
「・・・・・・・・・」

 終わった・・・・・・。
  
ドンドンドン!!! 
 
 途端に激しいノック音!
 
ケイスケッ、開けろ!」
「アキラ!ごめん!!でも俺・・・ア・・・」
「おまっ・・・人の体で・・・ふざけるなよ!!」
「アキラ・・・アキラアキラ・・・・・・・・・ア、キ…ッッ」
 
 
 
「ケイスケ・・・・・・?」
 
 
戸惑うアキラの声。
ケタケタ笑うリンの声。
  
「あ~あ、イッちゃった♪♪」
「!!!?」

 
 
 
「ケイスケッッ!!!」
 
 
 
 
つづく

HN:
メリー
性別:
女性
自己紹介:
特技は妄想。
常にマイナス思考。
運転中に本気を出して歌うのが好き。ごにょごにょ。

↑コレが貼りたいためにこのブログ作りました。 ラッキードッグ1プチオンリー「UCF -Un cane fortunato-」 ↑素晴らしいですね。
全力で応援します^^

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