「ケイスケ知らないか?」
「アキラ!?わーっ、ほんとにケイスケになっちゃったんだ・・・」
「あぁ・・・」
「どうやったら元に戻るのかな?」
「わからない。リンは何か知らないか?」
「うーん・・・さすがの俺もわかんないなー。そうだ!おっさんなら何か知ってるかも!」
「・・・そうだな・・・」
「それにしても、中の人が違うだけで印象ってかなり変わってくるんだね~」
「?」
「顔はケイスケなのにさ、なんかかっこいーよ♪」
「・・・・・・・・・」
「逆に・・・ケイスケが中に入ったアキラ・・・かっこ悪かったなー」
「そうだ。ケイスケは?」
「トイレ。あー・・・でもなんか15分くらい入ってるな~・・・」
ドンドンドン
トイレの扉が叩かれて、俺はビクついた。
「ケイスケ?いるのか?」
「ア、アキラ!?」
「腹の具合でも悪いのか?」
「あ、いや・・・そうじゃないけど・・・」
「じゃあどうしたんだ」
「・・・その・・・」
どう答えようか悩んでいると、からかうようなリンの声がした。
「中で~、アキラには言えないようなコト、なんかやってんでしょ?」
「!!!」
「なんかってなんだよ」
「アキラ分かんないの~?アキラは信じてた幼馴染に汚されちゃったんだよ?」
「ちがっ・・・何言ってるんだよ、リン!!」
リンのやつ!よりにもよってアキラの前で何てことをーーー!!!
「だーって怪しいじゃない。トイレなんかに何十分もこもっちゃってさー」
「だから違うって・・・」
「じゃあ何やってるんだ」
アキラの低い声が聞こえた。
これは・・・怒ってる証拠だ・・・。
どどど・・・どうしよう・・・
「答えろよ」
「・・・なにも」
俺のバカ!!!
咄嗟の事とはいえ、「なにも」はないだろ!
どう考えても不自然だ!!!
「用事もないのにおかしいだろ!さっさと出てこいよ!」
「い、今は無理だよ」
「どういうことだ?」
「・・・・・・」
返答に困ってると、リンがさも楽しそうに突っ込む。
「出ちゃいそうなんでしょ?」
「・・・・・・・・・」
終わった・・・・・・。
ドンドンドン!!!
途端に激しいノック音!
「ケイスケッ、開けろ!」
「アキラ!ごめん!!でも俺・・・ア・・・」
「おまっ・・・人の体で・・・ふざけるなよ!!」
「アキラ・・・アキラアキラ・・・・・・・・・ア、キ…ッッ」
「ケイスケ・・・・・・?」
戸惑うアキラの声。
ケタケタ笑うリンの声。
「あ~あ、イッちゃった♪♪」
「!!!?」
「ケイスケッッ!!!」
つづく