ゴリッ
頭蓋骨ごと脳みそが圧迫されて、わけがわかないまま意識が戻された。
「!??????」
現状が理解できず、パニックに陥る。
起き上がろうとしても頭が抑えつけられて動かない!
何だ!?
一体どうなってるんだ!?
確か俺は寝ていたはず。
いつものように、アキラにおやすみを言って目を閉じた。
そうだ!隣でアキラが寝てるはず!
アキラに助けを求めよう!
アキラ!
アキラ起きてくれ!
アキラァ!
「あ……アキ…ラ…?」
「……………」
辛うじて首を動かして、視線だけで見上げると、仁王立ちしたアキラに頭を踏みつけられていることを理解した。
「な、なんで…?」
「お前、うるさいんだよ」
「え…」
「うるさくて眠れないだろ」
また、うなされていたんだろうか。
いつもアキラは見て見ぬふりしてくれてるから甘えてたけど、そりゃそうだよな。
耳元で気味悪くうなされてれば誰だって…。
「寝息とか、歯ぎしりとか……それに寝言とか!!!!!」
踏みつける足に力が込められた。
……寝言……?
「本っっ当にうるさくて眠れないんだよバカ!!」
「ご、ごめん」
寝言って…。
ひょっとして何かマズいこと言ったのかな?
いや、でもやましいことはしてないし、俺は断じて潔白だ!
だけどアキラの足はどけられることはなかった。
部屋が暗くて表情がよくわからないのが余計に怖い。
「あっちで寝ろよ」
「あっち…?」
「玄関ら辺」
「寒いよ!」
「一緒に寝たくない!」
「寝言で俺、何か変なこと言ったの?」
「 ………別に」
ビンゴだ…。
俺、何て言ったんだろ…。
「とにかく、今日はあっちで寝ろよ」
「やだよ。一緒に寝たい」
アキラにすごい目で睨まれた。
「う……」
一瞬怯んだものの、とりあえずアキラを力いっぱい抱きしめた。
「なっ……!?」
「好きなんだ…!アキラ!」
そのまま唇をぶつけるようにキスをした。
「…っ」
初めは抵抗してたアキラも、突っ張る腕から力が抜けた。
そのうち首に腕を回された。
───よし。
「アキラ愛してるよ」
「ん…」
アキラを抱きかかえて何度も唇を啄む。
そのまま布団の中にゆっくりと入った。
「もう遅いから寝ようね?」
「…うん…」
抱き合って一緒に寝ることに成功。
それにしても、アキラがあんなに怒るなんて…。
本当に一体何を言ったんだろう。すごく気になる。
だけどこの話をぶり返すのは危険だな。
今日のところはアキラを黙らせることに成功したけど。
また変な寝言を言わないとも限らない…。
俺の胸で静かに寝息をたてるアキラの頭を撫でながら、結局朝までねむれなかった…。