「ケイスケって、エッチはどうなの?」
「は」
「上手いの?下手なの?」
いきなりなんなんだ。
あまりにも唐突な質問に答えあぐねていると、ケイスケが隣で俺をガン見していた。
「…なんだよ」
「えっ、いや、あの、アキラ、その…どう、なのかなって、その、俺の、あの…」
………ウザい…。
もじもじしながらテーブルに指で「の」の字を書きまくっている。
「そんなこと、他人に話すことじゃないだろ」
「他人じゃないよ。同一人物じゃん」
白シャツが俺にウィンクしてきた。
冗談じゃない!
どこが俺と同一人物なんだ!
俺が睨みつけると、おどけたように肩をすくめた。
「はい、おまち」
険悪なムードの中、店のおやじの声とうまそうな匂いが広がった。
焼きサバ定食と生姜焼き定食だ。
ケイスケが運ばれてきた膳を受け取り、割り箸と一緒に俺の前に置いた。
「はい、アキラ」
「あぁ。ありがとう」
俺たちは白シャツを無視して、それぞれ運ばれてきた料理を食べ始めた。
味噌汁をすすり、茶碗に大盛に盛られた飯をかっ込む。
テーブルに両肘をついてその光景をしばらくは黙ってじっと見ていた白シャツだったが。
「ケイスケとエッチしたい」
「ぶばっっっ」