仕事帰りにアキラとよく買い物に行く近所の商店街。
クリスマスが近いこともあってか、ライトアップされていた。
小さな商店街だ。
だからライトアップといっても本当にショボい。
しかし、ムードを味わうには十分だ。
買い物を終えてアパートに帰る途中、アキラが商店街の方を振り返った。
さっきまで自分たちのいた場所がキラキラしてた。
「きれいだな」
アキラがポツリと呟いた。
「うん。でも、アキラの方がきれいだ」
「・・・・・・・・・」
呆れたような眼差しでこっちを見るアキラ。
でも本当にそう思うんだ。
アキラはきれいだ。
「ごめん。嬉しくないよな、きれいなんて言われても」
適当に笑ってごまかした。
そしてまた、家に向かって歩き出す。
買い物袋をぶら下げて。
二人の家に帰るんだ。
「ケイスケ」
「ん?」
「・・・・・・」
「アキラ?」
「さっきの・・・」
「さっき?」
「きれいだって・・・」
「ああ・・・あれは・・・」
「ありがとう」
「え」
「嬉しくなかったわけじゃない」
「アキラ」
それからアキラは何も言わなかったけど、手を握ったら握り返してくれた。
もう寒いけど、アキラと一緒なら大丈夫だ。
明日も明後日も、その次の日も毎日、ずっと、アキラと手をつないで帰りたい。